夏休みに入った瞬間、頭の中で「今日から〇日間、この体制でやっていけるだろうか」とカウントダウンが始まった。そんな気持ちになったことはありませんか。
いつもは幼稚園や保育園に行っている時間、子どもがずっと家にいる。
家事も仕事も自分のことも、全部を子どもがいる状態でこなさなければいけない。
「みんな同じはずなのに、なんで自分だけこんなにしんどいんだろう」と、ひとりで抱え込んでしまう人も少なくありません。
周りのママは楽しそうに夏休みを過ごしているように見えて、余計に焦ってしまうこともあります。
今日は、夏休みという特別な期間を、少しでも軽い気持ちで乗り切るための考え方と、具体的な頼り先をお伝えします。
「今年もなんとかなった」と、9月になったときに思えたら十分です。
完璧を目指さなくていい理由も、あわせてお伝えしていきます。

目次
なぜこんなに疲れるのか——数字で見る、ワンオペ育児の現実
「自分の頑張りが足りないから疲れるんだ」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
総務省の社会生活基本調査(2021年)によると、6歳未満の子どもを持つ夫の1日あたりの家事・育児時間は1時間54分、妻は7時間28分というデータがあります。
夫婦のどちらかに極端に負担が偏っている家庭は、決して珍しくないということです。
シングルで子育てをしている場合は、この負担がまるごと1人にかかっている状態だと考えると、疲れて当然だとわかってもらえるのではないでしょうか。
夏休みはその負担がさらに何倍にも膨らむ時期なのです。
「疲れているのは、あなたの頑張りが足りないからではありません。」構造的に、負担がひとりに集中しやすい仕組みになっているだけなんです。
まずこの前提を持っておくだけで、「もっと頑張らなきゃ」という気持ちが少し和らぎます。
さらに、育児の悩みや不安を誰にも相談できない状態が続くと、孤独感が強まり、育児ストレスが産後うつや育児ノイローゼにつながることもあるといわれています。
「弱音を吐いてはいけない」と思い込んでいる人ほど、こうした状態に気づきにくい傾向があります。
周りに心配をかけたくないという優しさが、かえって自分を追い込んでしまうこともあるんです。
しんどさを感じたときに、それを「甘え」だと片づけないこと。
まずはその意識を持つだけでも、自分を追い詰めすぎずに済むようになります。
頼れる先を「知っている」だけで、気持ちが軽くなります
夏休み中、頼れる先が全くないわけではありません。
多くの幼稚園では、夏休み期間中も「預かり保育」を実施しています。
園によって日数や時間、料金が異なるので、夏休みに入る前に一度確認しておくと安心です。
自治体が実施する一時預かり事業もあります。
認可保育園の一時預かりは、待機児童対応や緊急性の高い家庭が優先されることもあり、必ずしも夏休みだけの利用がしやすいとは限りませんが、
自治体独自の「非定型一時保育」のような枠を用意している地域もあります。
もうひとつ知っておきたいのが、ファミリーサポートセンターです。
これは、子育ての援助をしてほしい人と、子育てを手伝いたい人を自治体が結びつける相互援助の仕組みで、利用方法や料金は自治体によって異なります。
「誰かに預けるなんて申し訳ない」と感じる必要はありません。
こうした制度は、使われるために用意されているものです。
まずは、住んでいる自治体のホームページや窓口で「夏休み 一時預かり」「ファミリーサポート」と検索してみるところから始めてみてください。
今すぐ使わなくても、知っているだけで心の余裕が変わります。
制度は自治体ごとに内容が異なり、対象年齢や利用できる日数、料金の目安もさまざまです。
「うちの地域にはなさそう」と決めつけず、まずは窓口に電話で聞いてみるだけでも、思っていたより使いやすい制度が見つかることがあります。
きょうだいがいる家庭なら、地域の学童保育や、小学生向けの短期サマースクールなど、上の子と下の子で別々に頼れる先を組み合わせるという方法もあります。

生活リズムを崩さない、ゆるいスケジュールの作り方
毎日がなんとなく過ぎていくと、子どもも大人も疲れが抜けにくくなります。
効果的なのは、細かい時間割ではなく、大まかな「時間帯ごとの役割」を決めておくことです。
たとえば、午前中は学習やお手伝いの時間、昼食後はお昼寝や静かに過ごす時間、午後はお出かけや遊びの時間、というように、時間帯にざっくりとした意味づけをしておきます。
きっちり守れなくても構いません。
「今は午前だから、少し座って過ごす時間にしよう」という目安があるだけで、子どもも次に何をするか予測しやすくなり、ぐずりが減ることがあります。
児童館や図書館など、無料または低料金で過ごせる場所を、午後の行き先リストとして2〜3か所ストックしておくのもおすすめです。
行き先に迷う時間そのものが、地味に体力を消耗させるからです。
夜寝る時間と朝起きる時間だけは、できるだけ普段と同じに保っておくのもポイントです。
生活の軸になる時間が2つ決まっているだけで、その間の過ごし方がゆるくても、子どもの体調は大きく崩れにくくなります。
完璧を目指さない工夫が、いちばんの体力温存になります
夏休み中は、いつも通りの家事のペースを維持しようとすると、確実に息切れします。
「今日はこれだけやればOK」というラインを、あらかじめ自分の中で下げておくことが、実は一番効果のある対策です。
たとえば、次のようなことは「今だけ」と割り切ってしまって大丈夫です。
– 掃除は目につく場所だけ、毎日でなく2〜3日に1回にする
– 昼食は品数を減らし、麺類やレトルトを取り入れる
– 洗濯物はたたまずカゴから直接着てもらう日があってもいい
家事の手を抜くことに罪悪感を覚える人も多いですが、限られた体力を「子どもと向き合う時間」と「自分の休息」に振り向けるほうが、長い夏休みを乗り切るうえでは合理的な選択です。
孤立感が強くなってきたときは、自治体の子育て相談窓口や地域の子育て支援センターに話を聞いてもらうのも一つの方法です。
誰かに現状を話すだけで、気持ちが軽くなることは少なくありません。
夏休みの疲れは、体力だけでなく気力もじわじわ削られていくものです。
1日の終わりに5分だけでも、スマホを置いて好きな飲み物を飲む、湯船に浸かるなど、「自分だけの時間」を確保することも、立派なワンオペ対策のひとつです。
今日からできる、3つの一歩
夏休みのワンオペは、根性や頑張りだけで乗り切ろうとすると長続きしません。
今日からできることとして、次の3つを試してみてください。
1. 幼稚園の預かり保育・自治体の一時預かり・ファミリーサポートを、実際に1つ調べてみる
2. 午前・午後で大まかな役割を決め、行き先リストを2〜3か所用意しておく
3. 「今日はこれだけでOK」というラインを、自分の中で先に決めておく
夏休みが終わるころ、「なんとか乗り切った」と思えれば、それで十分です。
すべてを完璧にこなす必要はありません。
頼れる制度と、自分に許すゆるさ。この2つを味方につけて、長い夏休みを過ごしていってくださいね。
来年の夏には、今年よりもう少し肩の力を抜いて過ごせるように。
今年のうちに、頼れる先をひとつでも見つけておけたら、それだけで大きな一歩です。













