夜中に何度も泣き声で目が覚めて、抱っこしてもなかなか泣き止まない。
背中に手を入れてみると、汗でびっしょり。
「暑いのかな、寒いのかな」とあれこれ試しているうちに、気づけば外が明るくなっていた——そんな夏の夜を過ごしているママは、少なくありません。
赤ちゃんが暑い夜になかなか寝つけず、何度も起きてしまうのには、ちゃんとした理由があります。
原因がわかれば、対策もぐっとシンプルになります。
今日は、暑い夜を少しでも穏やかに乗り切るための、具体的な整え方をお伝えします。
翌朝、寝不足のままミルクを作ったり家事をこなしたりするのは、想像以上にこたえますよね。
赤ちゃんがぐっすり眠ってくれる夜が増えれば、ママ自身の睡眠時間も、少しずつ取り戻せるようになります。

目次
赤ちゃんが暑い夜に何度も起きてしまう理由
赤ちゃんは、大人よりもずっと体温調節が苦手です。
汗をかく機能は大人と同じくらい活発なのに、汗を蒸発させて熱を逃がす調節はまだ未熟なため、体に熱がこもりやすいんです。
大人が「ちょうどいい」「少し肌寒いかな」と感じるくらいの室温が、赤ちゃんにとってはちょうどよい環境だと言われています。「赤ちゃんが寒くないように」と、つい大人の感覚で温かくしすぎてしまうのは、よくあるすれ違いなんです。
夜中に目が覚めてぐずるとき、実はお腹が空いているのでも、どこかが痛いのでもなく、「暑くて寝苦しい」だけというケースは、思っている以上に多いものです。
抱っこしてもミルクをあげても泣き止まないときは、一度、部屋の温度と赤ちゃんの体に目を向けてみてください。
「何が原因かわからないまま、とにかくあやし続ける」のと、「暑さが原因かもしれないと知ったうえで対応する」のとでは、夜中の負担の重さがまったく違います。
寝る前の1時間が勝負:室温と湿度の整え方
夏の寝室では、室温25〜28℃、湿度50〜60%くらいが快適な目安とされています。
ポイントは、寝かしつける直前ではなく、寝る1時間ほど前から部屋を冷やしておくことです。
寝る直前にエアコンをつけても、部屋全体はもちろん、寝具まで冷えるには時間がかかります。
先に部屋と寝具を冷やしておくことで、布団に入った瞬間のひんやり感が心地よく、寝つきがスムーズになります。
エアコンの風は、赤ちゃんに直接当たらないよう上向きにし、就寝中はつけっぱなしにして室温を一定に保つのがおすすめです。
湿度が高い日は、除湿(ドライ)機能を使うだけで体感温度がぐっと下がることもあります。
温度と湿度、どちらか一方だけでなく、両方を見てあげてください。
エアコンだけで冷やそうとすると、部屋の中に温度のムラができてしまうことがあります。
扇風機やサーキュレーターを併用して、天井付近にたまりやすい冷たい空気をゆっくり循環させると、部屋全体が均一に冷えやすくなります。
赤ちゃんに風を直接当てる必要はありません。壁や天井に向けて空気を動かすだけで十分です。
日中のうちに寝室のカーテンを閉めて、日射熱がこもらないようにしておくのも効果的です。
外出から帰ってきてすぐの寝室は、閉め切っていた分、外よりも室温が高くなっていることがあります。
寝かしつけの前に一度ドアを開けて空気を入れ替えてから、エアコンで冷やし始めると、より効率よく室温が下がります。

服装・寝具は「軽く・薄く」が鉄則です
暑い夜は、着せすぎ・かけすぎが一番の敵になります。
室温が25℃前後であれば、薄手の肌着1枚、あるいはそれに薄手のスリーパーを合わせる程度で十分と言われています。
タオルケットや薄い布団をかけたくなる気持ちもわかりますが、こども家庭庁は2024年、乳幼児の睡眠中に掛け布団を使わないことを呼びかける発信をしています。
掛け布団は寝ている間にずれて顔にかかり窒息につながる危険があるだけでなく、体に熱がこもって体温が上がりすぎる「うつ熱」の原因にもなり得るためです。
消費者庁も、厚着や過度な保温が乳幼児の睡眠中の事故につながる可能性があるとして、繰り返し注意を呼びかけています。
暑い季節は、「かけて温める」のではなく、「室温そのものを整えて、体には何もかけない・薄くする」という考え方に切り替えてみてください。
寝具は硬めのマットレスを選び、枕元にタオルやぬいぐるみなど、顔にかぶさる可能性のあるものは置かないようにしましょう。
保冷剤や冷感マットを使いたくなる季節ですが、直接肌に長時間当て続けると、体を冷やしすぎてしまうことがあります。
使うときはタオルで包み、短時間だけ、体の一部分に当てる程度にとどめてください。
寝具の下に敷くタイプの冷感マットも、赤ちゃんの寝返りによって顔の下に入り込まないよう、置き場所には注意しましょう。
肌着の生地選びも、実は見落とされがちなポイントです。
汗を吸って乾きやすいガーゼ素材やコットン素材を選ぶと、汗をかいても肌がべたつきにくく、あせもの予防にもつながります。
暑がっているサインは、ここで見分けられます
「今、暑いのか寒いのか」を手足の冷たさだけで判断すると、実際とは逆の対応をしてしまうことがあります。
暑がっているときに出やすいサインは、次のようなものです。
– 顔が赤くなっている
– 頭や背中、首筋にたくさん汗をかいている
– 機嫌が悪く、ぐずりやすい
– 寝つきが悪く、夜中に何度も目を覚ます
– 汗をかいた部分にあせもができている
背中や首筋に手を入れて、じっとり湿っていたら、それは「暑い」というはっきりしたサインです。
反対に、手足の先だけがひんやりしているのは、赤ちゃんではよくあることなので、それだけで厚着をさせる必要はありません。
判断に迷ったら、手足ではなく、背中や首筋で確認する。この一点だけ覚えておくと、夜中でも慌てずに対応できます。
サインを確認したら、その場でできる対応はシンプルです。
汗をかいていたら、まず肌着を替える。
室温を測ってみて28℃を超えていたら、設定温度を1〜2℃下げる。
それだけで、ぐずりがすっと落ち着くことも少なくありません。
反対に、顔が真っ赤で体がぐったりと熱く、呼びかけへの反応が鈍いといった様子があれば、室温の調整だけで対応できる範囲を超えている可能性があります。ためらわず病院を受診してください。
今夜からできる、3つの一歩
暑い夜の対策は、特別な道具をそろえることよりも、日々のちょっとした習慣の積み重ねです。
今夜から、次の3つを試してみてください。
1. 寝る1時間前からエアコンをつけて、室温25〜28℃・湿度50〜60%に整えておく
2. 服装とかけ物は薄手にとどめ、掛け布団は使わない
3. 夜中に泣いたら、まず背中や首筋に触れて、暑さのサインを確認する
何度も起きてしまう夜が続くと、ママの体力も気力もすり減ってしまいますよね。
でも、原因のほとんどは「暑さ」というシンプルなところにあります。
室温と赤ちゃんの体、この2つに目を向けるだけで、夜中に何度も起きて対応する回数は、きっと減っていきます。
一度にすべてを完璧にそろえようとしなくても大丈夫です。
まずは今夜、室温計をひとつ寝室に置いてみることから始めてみてください。
数字で見えるようになるだけで、「なんとなく不安」だった夜の対応が、ぐっと具体的になっていきます。
今夜、いつもよりひとつ早く、エアコンのスイッチを入れてみてくださいね。













