子どもの看病をしながら仕事をしていると、自分の体調が悪くなっても、なかなか休めないことが多いですよね。
「もし、自分が病気やけがで長く働けなくなったら、収入はどうなるんだろう」と、ふと不安になったことはありませんか。
そんな時に支えになる制度が「傷病手当金」です。
ただ、パートや扶養内で働いている場合は、対象になるのかどうか、わかりにくいところでもあります。
今日は、傷病手当金の仕組みと、パート・扶養内の人が対象になるかどうかを整理してみます。

目次
- 1 傷病手当金って、どんな制度?
- 2 支給される金額の目安
- 3 支給される期間
- 4 もらうための条件、4つのポイント
- 5 「待期期間」ってなに?
- 6 パートでも、もらえることがあります
- 7 扶養に入っている場合は、対象になりません
- 8 国民健康保険の場合も、基本的に対象外です
- 9 「社会保険に入るメリット」として考える
- 10 申請の流れ
- 11 申請が遅れないように
- 12 会社から給与が出ている場合は?
- 13 出産の時の「出産手当金」とは別の制度です
- 14 退職したあとでも、もらえる場合があります
- 15 うつや心の病気でも、対象になる?
- 16 迷ったら、加入している健康保険へ
- 17 手当を受け取る間の家計、どう考える?
- 18 休むことへの、罪悪感を手放す
- 19 今のうちに、確認しておきたい3つのこと
- 20 備えがあれば、無理せず休める
傷病手当金って、どんな制度?
傷病手当金は、病気やけがで仕事を休み、給料が受け取れない時に、健康保険から支給される手当です。
働けない間の、生活を支えるための制度として用意されています。
会社の健康保険に加入している人が対象で、仕事とは関係のない病気やけがが対象になります。
支給される金額の目安
支給額の目安は、月給のおよそ3分の2とされています。
これまでの給与の額に応じて計算されるので、人によって金額は変わります。
給料が出ない間でも、一定の収入が確保できるのは、大きな安心材料です。
支給される期間
同じ病気やけがについて、通算で最長1年6か月まで受け取ることができます。
途中で働ける時期があっても、通算の期間として数えられます。
長期の療養が必要になった時にも、頼りになる制度です。
もらうための条件、4つのポイント
傷病手当金を受け取るには、おもに次の条件を満たす必要があります。
- 業務外の病気やけがで療養していること
- 仕事に就くことができない状態であること
- 連続して3日間仕事を休んでいること(待期期間)
- 休んだ期間について、給与が支払われていないこと
条件を満たしているかどうかは、医師の意見などをもとに判断されます。
「待期期間」ってなに?
病気やけがで、まず連続して3日間仕事を休む必要があります。
この期間を「待期期間」と呼びます。
待期が完了したあとの、4日目以降に休んだ日から、手当が支給されます。
有給休暇を使って休んだ日も、待期にカウントできる場合があります。
パートでも、もらえることがあります
ここがいちばん気になるところですよね。
パートやアルバイトでも、勤め先の健康保険(社会保険)に被保険者として加入していれば、正社員と同じように、傷病手当金の対象になります。
雇用形態ではなく、「どの健康保険に入っているか」がポイントです。
扶養に入っている場合は、対象になりません
一方で、夫などの扶養に入っていて、自分が「被扶養者」の立場でパートをしている場合は、傷病手当金の対象外です。
被扶養者は、自分自身が健康保険の被保険者ではないためです。
扶養内で働く場合、この点は大きな違いになります。
国民健康保険の場合も、基本的に対象外です
自営業やフリーランスの方、勤め先の社会保険に入っていないパートの方などが加入する国民健康保険には、原則として、傷病手当金の制度はありません。
今、自分がどの保険に入っているかを、一度確認してみましょう。
保険証を見れば、加入している保険の種類がわかります。
「社会保険に入るメリット」として考える
2026年10月から、社会保険に加入する条件が見直され、週20時間以上働く人は、年収にかかわらず加入の対象になる場合が広がっています。
社会保険に加入すると、保険料の負担が増える一方で、傷病手当金や、将来の年金が増えるといったメリットがあります。
目先の手取りだけでなく、万が一の時の備えも含めて、働き方を考えてみてください。
申請の流れ
申請は、おもに次のように進めます。
- 病気やけがで仕事を休む
- 医師に、働けない状態であることを証明してもらう
- 勤め先に、休んだ期間や給与の支払い状況を証明してもらう
- 加入している健康保険に、申請書を提出する
申請書には、本人が書く部分、医師が書く部分、会社が書く部分があります。
申請が遅れないように
傷病手当金は、休んだ日から一定の期間内に申請する必要があります。
会社や病院に書類を書いてもらうのに、時間がかかることもあるので、早めに動きましょう。
体調が悪い中で手続きをするのは大変ですが、必要な書類を、少しずつ整えていけば大丈夫です。
会社から給与が出ている場合は?
休んでいる間も、会社から給与が支払われている場合は、傷病手当金が支給されなかったり、差額だけの支給になったりすることがあります。
有給休暇を使って休んでいる間は、給与が支払われているので、傷病手当金の対象外になります。
どちらを使うか、状況に応じて考えてみましょう。
出産の時の「出産手当金」とは別の制度です
名前が似ていますが、傷病手当金は病気やけがで働けない時の制度、出産手当金は産休中の収入を支える制度で、別のものです。
どちらも、健康保険の被保険者が対象という点は、共通しています。
自分の状況に合わせて、必要な制度を確認しておきましょう。
退職したあとでも、もらえる場合があります
条件を満たせば、退職したあとも、傷病手当金を受け取り続けられることがあります。
退職前に、すでに傷病手当金を受けていたり、受けられる状態だったりすることが、おもな条件です。
退職を考えている時は、事前に健康保険や会社の担当者に確認しておくと安心です。
うつや心の病気でも、対象になる?
傷病手当金は、体の病気だけでなく、心の病気で働けなくなった場合にも対象になります。
子育てや仕事で心が疲れ切ってしまった時も、「休んでいい」と自分に許可を出してあげてください。
その時に頼れる制度があることを、知っておくだけでも、気持ちが少し軽くなります。
迷ったら、加入している健康保険へ
自分が対象かどうか、どんな書類が必要かは、加入している健康保険の窓口で、詳しく教えてもらえます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)や、健康保険組合など、保険証に書かれている窓口に、気軽に問い合わせてみましょう。
手当を受け取る間の家計、どう考える?
傷病手当金の金額は、これまでの給与のおよそ3分の2が目安です。
つまり、普段の収入より少なくなるため、働けない期間が長くなると、家計に影響が出ることもあります。
貯蓄や、ほかの制度との組み合わせも含めて、「もしもの時にどうするか」を、夫婦で話し合っておくと安心です。
休むことへの、罪悪感を手放す
子育て中のお母さんは、体調が悪くても、「自分が休んだら家が回らない」と、無理をしてしまいがちです。
けれど、体と心を守ることは、子どもを守ることにもつながります。
必要な時は、制度に頼りながら、きちんと休んでください。
今のうちに、確認しておきたい3つのこと
- 自分がどの健康保険に入っているか
- 勤め先に、傷病手当金の申請の流れを教えてもらえる担当者がいるか
- 休んだ時の、会社の給与の扱い(有給休暇や欠勤の取り扱い)
元気なうちに、この3つを確認しておくだけで、いざという時に、慌てず動けます。
保険証や、会社の就業規則を、一度見直してみてください。
備えがあれば、無理せず休める
「もしもの時に頼れる制度がある」と知っておくだけで、毎日の安心感は大きく変わります。
今日の内容が、あなたと家族を守るための、小さなヒントになれば嬉しいです。













