子育て

クループ咳の特徴(原因や種類も)を覚えて重症度による救急受診のタイミングを見極めよう

クループとは、風邪が原因で起こる喉頭炎(こうとうえん)の総称です。

口を開けた時に見える喉よりもさらに奥の、ノドボトケがある部分の喉がはれて赤くなり、特徴的な症状を引き起こします。

クループは10歳以下の子供(赤ちゃんから幼児、小児まで)にみられるありふれた病気の一つ。

ですが、喘息(ぜんそく)や気管支炎などの他の病気と間違えられることがあり、ちゃんとした治療を受けないと、あとで重症化することもあるんです。

大切なのは

・間違いなくクループだと判断できるようにしておくこと
・クループ重症化の兆しを知っておいて、受診のタイミングを判断できるようにしておくこと

の、2つです。

この記事では、クループの症状(咳)の特徴や、子供が元気にしていても急になることもあるクループの種類、

また救急受診の目安となるクループ咳の重症度についてまとめています。

いざ、クループの症状が出たときに、必要以上にうろたえず冷静に対処できるよう、ぜひ参考にしてくださいね。

クループ咳の特徴 この3つさえ覚えておけば見分けられます!

クループが悪化するのは主に夜です。

夜間かかりつけの小児科などがあいていない時間帯でも、クループであるか判断できるように、まずはクループ咳の特徴を3つ覚えておきましょう。

特徴的な咳

「犬が吠えるような」
「太くて、喉が痛そうな」
「オットセイが泣くような」
「キジが鳴くような」

さまざまな表現がされますが、いつもとは確実に違う特徴のある咳です。

咳をすると痛いので、夜寝ていても自分の咳でノドが痛くて、目を覚ましてしまうこともあります。

クループの咳は特徴的なので、一度聞いたことがある人なら、2回目以降はするにクループの咳だとわかります。

声がかすれる

少しかすれるくらいから、まったく声が出なくなるまで程度には幅がありますが、クループの重症度とは比例しません。

少しかすれている程度だからといって、軽度だと判断できないということですね。

吸気性の喘鳴(ぜんめい)

喉がヒーヒーと鳴って、しばしば喘息(ぜんそく)と間違えられますが、喘息(ぜんそく)の※喘鳴(ぜんめい)が息を吐き出す時であるのに対して、クループは息を吸った時にゼーゼーと鳴るのが特徴です。

※喘鳴(ぜんめい)…呼吸する空気が気道を通るときに、ゼーゼーと雑音がすること

とくに、泣いたり大きく息を吸い込んだ時に目立つのが特徴で、重症度の目安(下記の表)になります。

クループの重症度(救急受診の目安)

【1】特徴的な咳

【2】かすれ声

【3】喘鳴(ヒーヒーやゼーゼー)

1.泣いたり大きな息を吸った時だけヒーヒー言うが、すやすやと安静呼吸をしているときには聞こえない。

2.安静呼吸でも吸う時にヒーヒー聞こえる。寝ていられなくなって、しばしば目を覚ます。

3.吸うときだけでなく、吐く時にもゼーゼーがあらわれる。横になって眠るのは困難で座り込んでしまう。
→この段階で救急受診が必要

4.さらに呼吸が苦しくなり、呼吸のたびに胸がペコペコへこむ
→切迫した状況、救急車を!

5.チアノーゼ(唇が紫色に)
→極めて危険!一刻をあらそう事態

6.窒息して呼吸が止まる

子ども(赤ちゃん1歳2歳〜)のクループの考えられる原因

ウイルス性の上気道炎、つまり普通の風邪が、原因の90%以上を占めます。

カゼによる炎症が喉まできて、クループを引き起こすんです。

風邪ですので発熱をともなう場合もあれば、熱がない場合もあります。

熱のあるなしや、熱の高さはクループの重症度には関係がないので、熱が高いから心配(クループの場合)ということはありません。

どのようなウイルスでもクループの原因になる可能性がありますが、パラインフルエンザウイルスなどが特にクループを起こしやすいウイルスとして有名です。

クループは急になることも?!その種類について

クループにはいくつかの種類があり、風邪以外でも起こることがあります。

またクループによく似た病気もあるので、あわせてご紹介します。

急性痙性(けいせい)クループ

痙性クループは、幼稚園から小学生くらいの年齢によくみられ、風邪もひいていないのに夜間に突然クループの症状が出て、あっという間に進行する場合があります。

喉のけいれんが原因だと考えられていますが、症状は風邪によるクループと変わりません。

加湿器や浴室など蒸気を吸うと、症状が軽くなることがあります。

急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)

クループとよく似た症状ですが、クループの喉頭(ふだん見える喉より奥)よりもっと奥の喉頭蓋(こうとうがい)に炎症を起こす、さらに重症の病気です。

唾を飲み込めないくらいの痛みで、自分でティッシュを使える年齢であれば、座り込んでしまってティッシュでしきりに唾をぬぐい続けます。

この症状は危険サインなので、ただちに救急受診が必要です。

まとめ

重症化すると呼吸困難になることもあるクループは、ママにとってとてもこわいものですよね。

ですが、クループの特徴と重症化の目安をしっかり認識しておくと、実際に症状が出てもあわてず対処することができます。

苦しそうなケンケンという咳をしている場合は、注意深くお子さんの様子を観察し、必要であればただちに救急受診してくださいね。

我が家の次女がクループになった時の記録です→咳がいつもとは違う変な音!救急ダイヤルに電話してから咳がおさまるまでの記録

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