朝、ランドセルを背負う前に、子どもがぽつりと言った「学校に行きたくない」。
その一言を聞いた瞬間、胸がぎゅっと苦しくなって、頭が真っ白になってしまった、という方もいるかもしれません。
「どうしたの?」「何かあったの?」と、焦る気持ちも、「休ませていいのかな」と迷う気持ちも、どちらも親として自然なものです。
今日は、そんな朝に、まず親ができることを、できるだけやさしくお伝えします。

目次
- 1 まず、あなたが悪いわけではありません
- 2 朝の対応、いちばん大切なのは「気持ちを受け止める」こと
- 3 理由を、問い詰めない
- 4 無理に行かせることが、いい結果になるとは限りません
- 5 休ませる時は、「休んでいい」と伝える
- 6 休んだ日の過ごし方
- 7 こんな対応は、避けたいNG行動
- 8 学校には、早めに連絡を
- 9 先生に伝える時のポイント
- 10 学校の様子から、見えてくることも
- 11 考えられる、いろいろな理由
- 12 「体の不調」のサインもある
- 13 相談できる場所は、たくさんあります
- 14 24時間、電話で相談できる窓口も
- 15 きょうだいがいる場合の気配り
- 16 「その子らしさ」を、大切にする
- 17 子どもの気持ちが落ち着くまで、焦らない
- 18 親自身も、休んでいいんです
- 19 いつか、また笑顔で通えるように
まず、あなたが悪いわけではありません
子どもが「行きたくない」と言った時、「私の育て方が悪かったのかな」と自分を責めてしまう方がいます。
でも、学校に行きたくない気持ちは、多くの子どもが、成長の過程で経験することです。
親のせいでも、子どものせいでもありません。
まずは、深呼吸して、「大丈夫、一緒に考えていこう」と、自分に声をかけてあげてください。
朝の対応、いちばん大切なのは「気持ちを受け止める」こと
「行きたくない」と言われたら、理由を聞く前に、まず気持ちを受け止めましょう。
「そうか、行きたくないんだね」「しんどいんだね」と、気持ちをそのまま言葉にして返すだけで、子どもは「分かってもらえた」と感じます。
安心できると、少しずつ、自分の気持ちを話せるようになります。
理由を、問い詰めない
「どうして行きたくないの?」「何があったの?」と、矢継ぎ早に聞いてしまうと、子どもは責められているように感じてしまいます。
子ども自身も、なぜ行きたくないのか、うまく言葉にできないことがよくあります。
理由がわからなくても、大丈夫。
「話したくなったら、いつでも聞くよ」と、伝えておきましょう。
無理に行かせることが、いい結果になるとは限りません
「とにかく行かせなきゃ」と、無理に登校させると、子どもの不安や緊張が、さらに強くなってしまうことがあります。
朝は、泣いたり、お腹が痛くなったりと、体にサインが出ることもあります。
まずは、無理に行かせず、ゆっくり休ませることも、ひとつの選択肢です。
休ませる時は、「休んでいい」と伝える
学校を休ませる時は、「今日は休んでいいよ」と、はっきり伝えてあげましょう。
後ろめたさを抱えたまま休むと、子どもは、ゆっくり休めません。
ゆっくり朝を過ごしたり、たっぷり睡眠をとったりして、緊張や不安を、少しでも和らげることが大切です。
休んだ日の過ごし方
休んだ日は、ゲームや動画漬けにしてしまっても、責めないであげてください。
ただ、罰として、ゲームや勉強をさせることは、避けたほうがよいといわれています。
一緒にお茶を飲んだり、散歩をしたりと、穏やかな時間を持てると、子どもの気持ちも落ち着きやすくなります。
こんな対応は、避けたいNG行動
- 理由を問い詰める
- ほかの子と比べる(「みんな行っているのに」)
- 無理に登校させる
- 休んだ罰として、ゲームや勉強をさせる
こうした対応は、子どもがさらに話しにくくなってしまう原因になります。
親も余裕がない時は、つい口に出てしまうこともあります。
そんな時は、「ごめんね」と、一言伝えれば大丈夫です。
学校には、早めに連絡を
登校しぶりが続く場合や、気になる様子がある時は、担任の先生に連絡を取りましょう。
低学年の場合は特に、先生から、学校での様子や、友だち関係、授業での様子を、教えてもらうことができます。
「責める」のではなく、「一緒に考えたい」という気持ちで、相談してみてください。
先生に伝える時のポイント
- 子どもが「学校に行きたくない」と言っていること
- 家での様子や、体調の変化
- 思い当たることがあれば、その事実
親からわかっている事実を、落ち着いて伝えると、先生も状況を把握しやすくなります。
場合によっては、親子で一度、学校に行って、面談をすることもあります。
学校の様子から、見えてくることも
先生から聞いた、教室での様子が、子どもが話してくれる内容と、少し違うこともあります。
子どもの感じ方を大切にしながら、学校側の見方も、聞いてみましょう。
お互いの情報を合わせることで、原因のヒントが見えてくることもあります。
考えられる、いろいろな理由
学校に行きたくない理由は、実にさまざまです。
- 友だちとのトラブルや、人間関係の悩み
- 勉強についていけない不安
- 先生との相性
- 学校生活の疲れ、環境の変化
- 理由がはっきりしないけれど、なんとなくしんどい
その子なりの理由があることを、受け止めてあげましょう。
「体の不調」のサインもある
朝になると、お腹が痛い、頭が痛い、気持ちが悪い、と訴える子もいます。
こうした症状は、心の疲れが、体に出ているサインのこともあります。
本当に具合が悪いこともあるので、気になる場合は、小児科などを受診して、体の状態も確認しておくと安心です。
相談できる場所は、たくさんあります
一人で抱え込まず、頼れる場所に相談しましょう。
- 担任の先生や、学年主任、校長先生
- スクールカウンセラー
- 市区町村の教育委員会や、教育相談窓口
- 児童相談所や、子育て支援の窓口
学校によっては、相談しやすい先生や、専門の担当者がいることもあります。
24時間、電話で相談できる窓口も
文部科学省では、「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)を設けていて、夜間や休日も含めて、24時間いつでも相談できます。
全国共通のフリーダイヤルで、子ども本人だけでなく、保護者も相談できます。
夜中に不安になってしまった時も、頼れる窓口があることを、覚えておいてください。
きょうだいがいる場合の気配り
一人の子が学校に行きたくないと言っていると、きょうだいも、親の様子を敏感に感じ取っています。
「あなたのことも大切に思っているよ」と、きょうだいにも、声をかける時間をつくってあげましょう。
家族みんなが安心できる空気づくりが、結果的に、悩んでいる子どもの心を支えることにもつながります。
「その子らしさ」を、大切にする
学校に行きたくない気持ちの奥には、その子なりの繊細さや、感じやすさが隠れていることもあります。
それは、決して悪いことではありません。
子どもの個性として受け止めて、「あなたのままで大丈夫」と伝えてあげられると、少しずつ、安心感が育っていきます。
子どもの気持ちが落ち着くまで、焦らない
学校に行きたくない気持ちは、すぐに解決するとは限りません。
時間がかかることもありますが、子どもが安心できる場所があること、気持ちを受け止めてくれる人がいることが、回復への力になります。
焦らず、少しずつ、一緒に歩んでいきましょう。
親自身も、休んでいいんです
子どもが学校に行けない日が続くと、親も、心配や不安で、疲れてしまいます。
自分の気持ちを話せる相手をつくったり、少し自分の時間を持ったりすることも、大切です。
親が元気でいることが、子どもにとっての、いちばんの安心につながります。
いつか、また笑顔で通えるように
今日できることは、小さなことでも大丈夫です。
子どもの気持ちを聞いて、受け止めること。
それだけでも、子どもにとって、大きな支えになります。
あなたは、一人ではありません。
今日の内容が、少しでも、心の支えになれば嬉しいです。













