子供の突然の嘔吐と下痢、とても苦しそうですしかわいそうですよね。
ニュースで報道されていたり、実際にまわりでノロウイルスやロタウイルスなど胃腸系の病気が流行していると聞くと、「うちの子はどれにかかっちゃったんだろう?」と心配になってしまうと思います。
ですが、これは病院へかかっても「感染性胃腸炎ですね」などと、病名を特定せず言われることが多いです。
はっきりとした診断がつかないと、「なんの病気なの?!」「感染性胃腸炎ってノロやロタとは違うの?」とモヤモヤしてすっきりしないですよね。
それに病名がつかないと、幼稚園や保育園にはいつから登園したらいいかなど、その後の対処の仕方も気になるところです。
この記事では、
・感染性胃腸炎 ノロ ロタなどそれぞれの違い
・ノロやロタウイルスははっきりと診断がつくのか
・ノロやロタだった場合いつまで外出や登園をひかえた方がいいのか
についてお伝えしますので、参考にしてくださいね。
目次
感染性胃腸炎 ノロ ロタ それぞれどう違うの?
嘔吐、下痢、発熱などの症状が出る病気の呼び名として、「感染性胃腸炎」「ノロウィルス」「ロタウィルス」「ウイルス性胃腸炎」などいくつか聞いたことがあると思います。
ですが、これは簡単にいうと「感染性胃腸炎」という大きなくくりの中に、ノロやロタというウイルスがあるということなんです。
他にもロタウイルス、アデノウイルスなどいろんなウイルスがあります。(名前がついていないものがあるほど数が多い)
以前は「嘔吐下痢症」と呼ぶことも多かったのですが、最近はほとんど「感染性胃腸炎」、「ウイルス性胃腸炎」、「急性胃腸炎」と医師から説明されることが多くなりました。
ちなみに「胃腸風邪」は別物のようですが、これも「感染性胃腸炎」のことなんです。(かかりつけの小児科の先生に聞いた時はビックリしました)
「風邪」という響きのせいでノロやロタよりも軽いもののような気がするかもしれませんが、そんなことはありません。
まちがった認識でいると症状を長引かせてしまったり、他の人に知らず知らずうつしてしまうことにもなるので注意しなくてはいけません。
感染性胃腸炎のウイルスの中で特に有名なノロとロタの違いですが、ノロウイルスはひろい年代でかかります。牡蠣などの二枚貝で有名ですよね。(私も以前牡蠣の酒蒸しでやられました…)
一方、ロタウイルスは0歳の赤ちゃんから5歳くらいの、幼児が多くかかるものです。
ロタは一回感染すると体の中に抗体ができるので2回目はかかりませんが、ノロは何回でもかかります。
ノロとロタの診断のつけ方 検査はできる?
基本的にノロやロタなどの感染性胃腸炎は、病院へ行っても検査をしません。
・生活圏内(幼稚園や地域)で流行しているか
・身内にノロやロタなど感染性胃腸炎と疑われる人がいるか
・下痢や嘔吐の症状の具合
などを総合的に見て、医師は「ノロorロタでしょうね」といった判断をします。
絶対に病名が知りたい!というのであれば調べることもできなくはありません。ですが、インフルエンザのようにその場ですぐできる検査ではなく、費用も時間もかかります。
医療機関へ頼んだとしてもだいたい症状は2~3日程度でおさまるので、結果が出る頃には回復しているというのも検査をしない理由としてあるでしょう。
そしてウイルスをつきとめたところでそのウイルスに効く薬はないので、結局は同じ治療法になるんです。(吐き気止め、整腸剤、脱水状態であれば点滴といった対症療法)
ちなみに嘔吐が1~2回だけだったりするとノロやロタでさえ疑われず、ただの「風邪」や「(感染性ではない)胃腸炎」と言われることも少なくありません。
ですが、後になって家族が次々に同じ症状でバタバタとたおれて、「あれはノロ(or ロタ)だったのか!」なんてこともあります。
なので、ウイルスの種類はわからなかったとしても、嘔吐や下痢の症状が出た時点で「感染性の胃腸炎だろう」という心持で対応していくことが大切です。
ノロ ロタならいつまで感染力がある?(お風呂 外出 登園)
感染性胃腸炎は、ノロやロタなどウイルスの種類が特定されなかったとしても、取るべき対処法は同じです。
順番に説明していきますね。
空気感染はする?
感染性胃腸炎のウイルスは「空気感染」はしません。
ただし、例えばカーペットや布団などを嘔吐や下痢で汚してしまった場合、それが乾燥すると空中に舞い上がります。
それを直接吸い込んだり、舞い上がったものが付着したソファやカーテンを触った手で食べ物を口に運んだりすると、ウイルスに感染します。これを飛沫感染といいます。
すぐに汚れの処理ができない場合は、とりあえず洗濯物を水につけておきましょう。
余裕があれば塩素系漂白剤につけるか、熱湯消毒(85℃以上を1分)をすると除菌できます。
ソファ、カーペットなど水につけられないものは、ざっと汚れを取りのぞいた後に湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで覆っておいてください。(ビニールをかぶせておくとより安心ですね)
あとで念入りに汚れ取りのぞき、熱湯消毒の代わりにスチームアイロンをあてます。
このように嘔吐物や便の処理をするときにはマスク(さらに手袋)があった方がいいですが、先ほども言ったように空気感染はしないので、症状がなくなったらマスクをする必要はありません。
お風呂はどうする?
お風呂は症状がある人を最後にした方がいいですね。
ですが、赤ちゃんやまだ母親の助けがいる小さな子で、嘔吐物で汚れてしまったというときは、シャワーなどではやめに洗い流してあげましょう。
そのあとできればあたりを、キッチンハイターなど次亜塩素酸のものをうすめたもので消毒できるとべストです。
それがなかったとしても物理的にウイルスを洗い流すよう、いつもより念入りに掃除をしてください。
タオルはそれぞれ個別にして、お風呂のお湯を使いまわすのもやめておきましょう。
登園・外出はいつからOK?
ウイルス性胃腸炎は、「出席停止扱い」になっていない園がほとんどだと思います。
嘔吐や下痢の症状があるうちはもちろんだめですが、食事が普段どおりにもどって嘔吐や下痢もおさまっていれば、登園・外出してもかまいません。
ただし、菌は1ヶ月程度は便の中に出続けます。
なので、まだオムツ替えが必要であれば、保育士さんや先生にその旨を伝えておくといいですよ。(たぶんそのあたりの対処は手慣れているはずです)
ノロやロタの疑いがあってもし必要であれば、検査などの確定診断がなくてもなんらかの書類の用意がある小児科が多いですので、相談してみてくださいね。
先ほども言ったように空気感染はしないので、症状がおさまれば外出したりお友達と遊んだりしても大丈夫ですよ。引き続き手洗いはよくするよにしてくださいね。
まとめ
ウイルスは目に見えないものなので、どうしても不安が大きくなります。
ですが、ウイルスの種類は違っても対処法が同じと理解しておけば、嘔吐や下痢などの症状が出た時点で正しい対処をすることができますね。
そして、手洗いうがいをきっちりして、新たな感染者を出さないよう気を付けていきましょう。
その他もいろんな段階で気になることなどをまとめてますので、よかったら読んでみてくださいね→赤ちゃん子供の嘔吐、胃腸炎に関する記事まとめ